中国が現在運用している空母は2隻。
1隻目がソ連崩壊前にヴァリャーグとして建造されていましたが、
ソ連崩壊で建造が中断し、
ウクライナの造船所にあったヴァリャーグを、
洋上ホテルとしてマカオの企業が購入後、
中国が購入し、中国初の空母となった「遼寧」。
その遼寧を参考にし一から自国の技術で作り上げたのが「山東」。
6月8日から6月16日まで、
中国海軍の空母「遼寧」及び「山東」を含む複数の中国海軍艇が、
太平洋の海域において航行しました。
「遼寧」は南鳥島の日本のEEZ内に入って航行。

また、同海軍の空母「山東」も、
近い地域の日本のEEZ内に入って航行。
さらに山東を監視中のP3C哨戒機に対し、
山東から発艦した戦闘機が約45メートルまで接近したり、
P3Cの前方を横切ったりしたそうです。

防衛省は、再発防止を中国に対し厳重に申し入れたとしていますが…
中国空母の2隻同時の太平洋進出は初めてのこと。
そして遼寧は第二列島線を中国空母として初めて越えました。
第一列島線が日本列島から沖縄〜台湾、フィリピンへ続く島嶼ラインになります。
第二列島線が小笠原諸島〜グアム、パプアニューギニアまで伸びる島嶼ライン。
中国的には有事の際(台湾有事?)、
第一列島線内には米軍の侵入を阻止。
第二列島線内では米軍が自由に作戦を展開することを阻止。
そんな感じで中国的には将来的には太平洋の西半分を、
米軍を自由にさせず中国軍が幅を利かせるようにしたいらしいです…
そんな事もあって、今回の中国空母二隻の太平洋進出。
遠洋作戦能力を着々と高めている感じです。
日本のEEZ内に入るのはやってはいけないことではないのですが、
EEZ内に入ることによって中国の意図を感じます。
P3Cに対し異常接近したのはいかにも中国らしい対処方法。
シワジワと進出して既成事実を作って慣れさせていく中国のやり方。
日本のもがみ型の建造スピードを遥かに上回る、
中国海軍艦艇の建造スピード。
中国3隻目の本格的な空母となった「福建」も、
試験航行で軍事訓練に加わっていたそう。
一連の動きが台湾有事に繋がっていそうで心配ですね。
画像は全て防衛省Xより